高校のダンス部が大会に出る場合、その作品を誰が作るのか、という大前提が存在します。高校生が自分たちで作品を作り上げ、大会に出場し、勝ち抜いてゆくのは難しいのか、と感じることは多少なりともある。

著名なコレオグラファーに作品作りを委託し、指導を受け、猛練習に励み、大会に出場するということがだんだん普通になっていくのかな、と思うこともある。また現在そうなりつつあるなと感じます。大会の入賞上位校は事実そうなっています。

コレオグラファー。この言葉さえ最近よく聞くようになっている。振付師と日本語でいうのとはちょっと違う。コレオグラファーというのはダンスの作品つくりそのものをすべて行う人のことです。振付はもちろん、構成や衣装や選曲やそういうこと全部。高校ダンス部の場合、ダンスのインストラクターがコーチを務め、作品を提供するというかたちになりますね。

高校ダンス部の大会がコレオグラファー作品の大会になる日もそう遠くない気もするな。

部門を分けたらどうか、という意見もありますが、線引きが難しいやろな。

コレオグラファー部門と生徒自作部門。どこからどこまで、というとあいまいになる。曲編集はどうしたとか、衣装を考えてもらったとか、部分的にアシストしてもらうこともあるやろうし。また顧問の先生がダンサーの場合、当然さまざまな指導がなされ、作品そのものに与える影響は非常に大きくなる。線引きはむずかしい。

いっぽう、生徒たちですべて考えた作品で大きな大会に出場し優勝している高校が存在していることもまた事実です。なので、それはその高校、そのダンス部の、大会で勝ち抜いていくひとつの戦略であるといえます。コレオグラファーによる作品が必ずしも勝ち残るわけでもない。

一条高校ダンス部の場合、生徒たちがそのテーマ決めから選曲、振付、構成、衣装選び、をすべて行なっています。それはダンス部にそういう伝統があり、これまでその方法で闘ってきたからです。それに加えて、コーチやダンスの専門家にみてもらったり、卒業生にみてもらったり、及ばずながら顧問が意見したり、ということもあります。

それゆえに非常に難航する。作品作りに多くのほんとうに多くの時間が割かれます。それだけに作品が完成した時の喜びは大きいし、達成感はあるのかな、と思います。

そして大会で結果が出たときの喜びも大きい。